安全運航
石油・ケミカル製品の安全・安定輸送のため、安全管理規程を柱に国際規格に準じた安全管理マニュアルを運用するなど独自の安全推進体制を確立、高品質船団の構築を目指しています。
1994年5月には「旭タンカーグループ環境安全憲章」を策定し、安全運航と地球環境保全を第一とした組織・体制にて、石油・ケミカル製品の海上輸送という社会的使命を果たしていきます。
安全管理体制(船舶環境安全部)
船舶環境安全部は事故への迅速な対応だけでなく、管理体制の強化や予防・啓蒙活動を行っています。また、営業部門との日常的な連携に加え、社内には環境安全委員会、各船主との間に船主会、各船社との間には環境安全協議会を設置するなどグループ横断的な関係強化に努めるとともに、優秀な船員や安全管理者の確保・育成、海技ノウハウの蓄積そして次世代の技術への挑戦など、安全・船舶管理におけるさまざまな課題にも組織的に対応しています。
安全活動
当社は安全管理体制の実効性を高めるため、通常の訪船活動に加え、年2回の特別訪船活動を行うなど、積極的に船主や乗組員と意思疎通を図り、安全活動の徹底・啓蒙に努めています。
特別訪船活動
日本国内での濃霧時期となる5~7月、また輸送の繁忙期を迎える年末年始に重点的な訪船活動を実施し、乗組員への激励と注意喚起を行い、海陸一体となった無事故キャンペーンを展開しています。また訪船活動で得られた情報は速やかに共有され、更なる安全活動に生かしています。
安全を最優先とする人づくり
事故の多くはヒューマンエラーに起因するものであるといわれています。当社は、安全航海の達成には〝人〟の技術向上が最も必要であると考え、安全を担う人づくりとして、船員のみならず、陸上従業員の安全教育にも力を注いでいます。数十年にわたり、船員の教育機関である海技大学校と提携し、当社独自カリキュラムによる階層別タンカー安全技術研修を開講すると共に、これ以外にも「ヒューマンエラー対策研修」や「e-ラーニング」など、時代に応じた教育方法も取り入れています。さらに、外航船配乗の約90%を占めるフィリピン人船員に対しても、毎年当社オリジナルの研修を実施し、教育・啓発の内容も適宜見直しを行い、安全を高める取り組みを積み重ねています。
海技教育機構 海技大学校提携 研修
対象者 | 内 容 | |
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導入コース | グループ船舶に初めて 乗船する船員全員 |
環境認識 甲板・機関基礎知識 |
初級コース | 航海士を希望する船員 | 6級海技士程度の知識・実習 |
機関士を希望する船員 | 6級海技士程度の知識・実習 | |
中級コース | 甲板部 | 甲板基礎知識・実習 |
機関部 | 機関基礎知識・実習 | |
上級コース | 甲板部職員 | 甲板専門知識・実習 |
機関部職員 | 機関専門知識・実習 | |
実技研修 | 甲板部 | BRM訓練 |
安全運航への新たな取り組み
安全運航を遂行するためには、乗組員と陸上従業員が同じ安全意識・情報共有の下、コミュニケーションを取り合い仕事を進めていくことが大切な要素となります。こうした要素を推進するツールの一つとして、当社では2021年より全乗組員にタブレット端末の貸与を開始しました。船陸間のオンライン会議やe-ラーニングにタブレット端末を活用し、コミュニケーションや研修の機会を増やすことで安全運航を遂行できる体制作りを進めています。また、電子デバイスの操作に慣れることで、書類の電子化等にも対応出来る乗組員を育て、労務軽減に繋げられるよう取り組んでいます。